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更新日:2016年9月7日

試験研究課題およびこれまでの成果

肉用牛研究所改良研究室

試験研究課題名一覧

牛改良事業

期間・区分
昭27年度~

背景・目的
優良種雄牛を適正に飼養管理し、高品質な凍結精液の生産と譲渡を行う。

方法
種雄牛及び候補種雄牛を繋養し、精液を採取して凍結した。このうち、検査に合格したものを保存し、希望に応じ県内に譲渡した。

成果・評価
候補種雄牛を含め20,046本を生産し、11,030本を譲渡した。譲渡した精液は、北国関7が10,830本、福茂光が40本、北平5が160本であった。 

肉用牛広域後代検定推進事業(直接検定)

期間・区分
平成11年度~

背景・目的
肉用牛の改良を図るため、遺伝的能力評価の高い繁殖雌牛へ基幹種雄牛を指定交配し,生産された雄子牛について能力を調査し選定する。

方法
公益社団法人全国和牛登録協会で定める産肉能力検定直接法に基づいた。

成果・評価

1芳美428」の検定を実施するとともに、「百合桜」「北光」を検定予定牛として導入した。
21日平均増体量は、1.17キログラム/日であり、茨城県肉用牛育種改良推進協議会専門部会で審査した結果、「芳美428」を検定合格とした。
 

肉用牛広域後代検定推進事業(後代検定)

期間・区分
平成4年度~

背景・目的
直接検定により選抜された候補種雄牛の現場後代検定を実施し、優秀な種雄牛を選抜する。

方法
公益社団法人全国和牛登録協会で定める産肉能力検定(現場後代検定法)に基づいた。 
1定場所
畜産センター肉用牛研究所
全国農業協同組合連合会茨城県本部肉用牛哺育育成センター
民間農場
2供試牛頭数
概ね18頭/1種雄牛
3荷月齢
雄去29か月齢未満
32か月齢未満

成果・評価
候補種雄牛「菊美6」「森鈴5274」の産子について検定を終了した。枝肉重量及び脂肪交雑(BMS)の推定育種価は「菊美6」が+29.232キログラム,+1.507、「森鈴5274」が+28.139キログラム,+1.989で能力評価基準値に満たないことから茨城県肉用牛育種改良推進協議会で不合格と決定する。

デルタ6デサチュラーゼ遺伝子多型と黒毛和種のおいしさに関する研究

期間・区分
平成23~27年度

背景・目的
和牛において、長鎖不飽和脂肪酸であるアラキドン酸が肉のおいしさに大きく影響していると推察されるが、このアラキドン酸の生成に関与する酵素であるデルタ6デサチュラーゼ、エロンガーゼ及びデルタ5デサチュラーゼを発現する遺伝子座は未解明なため、この遺伝子多型を解析するとともに、肉質、産肉性との関連を検証することにより遺伝子に基づく能力評価法を確立し、本県和牛集団の改良を促進する。

方法
エロンガーゼの遺伝子座を解明するため、ダイレクトシークエンス(増幅したDNAを直接解析し塩基配列を決定する方法)により塩基配列を解析し、変異部である一塩基多型(SNP)を検索した。

成果・評価
エロンガーゼ遺伝子に関連する遺伝子領域について、牛肉56検体のダイレクトシークエンスによる塩基配列の解読を行ったが、アミノ酸非同義置換を伴う遺伝子多型は見つからなかった。
現在、他の酵素について検討中である。

 遺伝子解析を活用した肉のおいしさ向上に関する試験

期間・区分
平成23~27年度国補

背景・目的
牛肉では高度不飽和脂肪酸が肉の食味・おいしさに影響を及ぼしているという報告があり、遺伝的改良が期待されている。本研究では、鶏肉に於いて食味性の増強効果が示唆されているアラキドン酸を含む長鎖不飽和脂肪酸に注目し、アラキドン酸の生合成に関わる酵素酵素(デルタ6デサチュラーゼ(D6D)、エロンガーゼ(EL5)及びデルタ5デサチュラーゼ(D5D))の遺伝子多型と牛肉のおいしさの関連性を明らかにする。

方法
・官能評価試験 牛肉のアラキドン酸についての官能評価試験を行う。

・遺伝子解析 アラキドン酸の生成に関わるDNA領域について塩基配列を解読(ダイレクトシークエンス)。 解読した塩基配列のうち、翻訳領域(エキソン)での遺伝子多型を同定する。 牛肉中のアラキドン酸含量と遺伝子多型との相関を解析する。 遺伝子多型マーカーを合成し、最適な検出条件を検討する。

・遺伝子多型と牛肉のおいしさとの相関解析 遺伝子多型と牛肉の長鎖不飽和脂肪酸成分(アラキドン酸を含む)、或いは産肉成績との相関を解析する。

成果・評価
アラキドン酸の官能評価試験を牛脂マーガリン法で実施したところ、アラキドン酸が味の増強効果に関与していることが明らかとなった。D6Dのエキソン2及びエキソン7上に、D5Dのエキソン11上に非同義置換を伴うSNPは確認されなかった。

D6DのSNP型と牛肉のアラキドン酸含量との関係を調べたところ、エキソン7上にSNPを持つ個体において、SNPを持たない個体よりアラキドン酸含量が有意に高い(P<0.01)ことが明らかとなった。

 

肉用牛研究所飼養技術研究室

試験研究課題名一覧

 

茨城県における黒毛和種繁殖牛の周年放牧実証試験

期間・区分
平成23~27年度

背景・目的
近年、簡便な電気牧柵の普及により小規模な遊休農地を利用した放牧が可能となり、低コストで省力的な飼養管理方法として放牧が見直されている。放牧利用は春から秋にとどまり、冬季には牛舎で飼養する形態が一般的であるが、より一層の低コスト化・省力化を図るため放牧期間を簡易に延長し、黒毛和種繁殖牛の周年放牧技術を開発する。
冬季に放牧するため、以下3課題を設定し検討を行った。

1)放牧地(放牧利用後)へ牧草を追播導入する効果の検討
耕起・不鎮圧の条件で追播し、冬季の放牧利用方法を検討した。
播草種についてはイタリアンライグラス、エンバク、ライムギ及びライコムギの追播試験を行った結果、ライムギが最も適していた。そこでライムギの播種時期および利用時期について検討し、10月中旬播種が最も収量が高く、1月中旬および3月下旬に放牧利用が可能であった。
ライムギを利用した放牧実証試験の結果、1月下旬~4月下旬に1番草から3番草まで利用でき、牧養力は合計で44CD/10aであった。

方法
1月中旬に放牧利用し、更に再生草を利用して3月下旬に再度放牧可能か検証を行った。
(1)追播草種ライムギ(品種:春一番(極早生品種))
(2)追播量8キログラム/10a散布(10月中旬)
(3)追播前圃場管理植生低刈り、不耕起、蹄耕法鎮圧
(4)施肥量尿素(N6キログラム/10a)散布(10月中旬)
(5)調査圃場10a(放牧地)
(6)放牧方法助飼料無し
(7)放牧牛毛和種繁殖牛2頭
(8)放牧時期1月中旬(1番草)、3月下旬(再生草)
(9)調査内容育調査、牧養力調査、成分調査など

成果・評価
(1)ライムギの乾物重と日本飼養標準肉用牛(2008年版)の成雌(体重500キログラム)の維持に要する養分量から推定牧養力は1月中旬22.0CD/10a、3月下旬8.9CD/10aであった。
(2)1月中旬及び3月下旬の牧養力はそれぞれ14.0CD/10a、8.0CD/10aであったことから、冬季から春季に同一圃場において2回放牧利用可能であった。
(3)1月中旬のライムギの成分値は日本飼料標準の成雌維持時の給与飼料中養分含量を満たし、硝酸態窒素(乾物中)については1,000ppm以下であり、問題はなかった。
(4)放牧牛の健康状態に、特に問題はなかった。
(5)野兎による食害防止のため、電気牧柵等を低く設置する必要がある。

2)水田の冬季放牧地としての利用性の検討
水田の冬季放牧地として、ひこばえ(再生稲)の利用性を検証した。
継続試験結果から、ひこばえの収量は圃場による差が大きいものの、飼料米ひこばえは食用米ひこばえと比較して収量が多く、放牧利用に適していた。そこで9月中旬に稲刈りを行い、水田裏作としてイタリアンライグラスを追播し、冬季に飼料米ひこばえおよびイタリアンライグラスの放牧実証試験を行ったところ、推定牧養力はひこばえは2.7CD/10a、イタリアンライグラスは19.4CD/10aであった。また、11月下旬~12月下旬に放牧を行い、牧養力は5.8CD/10aであった。

方法
イタリアンライグラスの年内利用性を検証するため、本県の追播推奨時期(9月中~下旬)に合わせて9月中旬に稲刈り及びイタリアンライグラス追播し、飼料米ひこばえとイタリアンライグラスを併用した年内放牧利用性を検証した。
(1)飼料稲品種ホシアオバ(中生、極穂重型)
(2)稲刈取時期9月中旬
(3)追播イタリアンライグラス(コモン)2.5キログラム/10a散布(9月中旬)
(4)施肥尿素20キログラム/10a散布(9月中旬)
(5)調査圃場1.5ha(飼料稲水田、条間30センチメートル、株間20センチメートル、稲の刈取高15センチメートル)
(6)放牧方法補助飼料給与無し
(7)放牧牛黒毛和種繁殖牛3頭
(8)放牧時期11月下旬~3月上旬
(9)調査内容生育調査、牧養力調査、成分調査など

成果・評価
(1)ひこばえの乾物重と日本飼養標準肉用牛(2008年版)の成雌(体重500キログラム)の維持に要する養分量から推定牧養力は3.4CD/10a、イタリアンライグラスの推定牧養力は12.0CD/10aであった。
(2)ひこばえ及びイタリアンライグラスを併用して11月下旬~3月上旬に放牧し、牧養力は23.8CD/10aであった。
(3)ひこばえ及びイタリアンライグラスの成分値は日本飼料標準の成雌維持時の給与飼料中養分含量を満たした。また硝酸態窒素濃度(乾物中)は1,000ppm以下であり問題がなかった。
(4)放牧牛の健康状態に、特に問題はなかった。

3)秋季備蓄草地(ASP)を利用した冬季放牧の検討
 秋季に放牧利用後の草地を秋季備蓄草地(ASP)として備蓄し、その冬季の利用性について検証した。
継続試験の結果から、1月中旬以降の備蓄草はCP含量が12%(日本飼養標準肉用牛(2008年版)の成雌(体重500キログラム)の維持に要する養分量)以下となった。野草地で行った放牧実証試験の牧養力は18CD/10aと低かった。また、窒素施肥量は尿素施肥N15キログラム/10aが最も収量が高かった。

方法
本年度は寒地型牧草主体草地で9月中旬から備蓄草地の備蓄を開始し、12月中旬から放牧を行い、牧養力について検証を行った。また、1月中旬以降CP含量維持のための窒素施肥量の効果の検証も行った。
(1)備蓄前圃場管理植生低刈り、不耕起、不鎮圧(9月中旬)
(2)施肥量
(ⅰ)放牧試験尿素散布(N15キログラム/10a)
(ⅱ)窒素施肥量試験
対照区無施
試験
オール14区オール14化成散布、N10キログラム/10a(9月中旬)
尿素区尿素散布、N15キログラム/10a(9月中旬)
尿素+オール14区尿素+化成散布、N15キログラム/10a(9月中旬)
(3)放牧地5a
(4)放牧方法ストリップ放牧、補助飼料無し
(5)放牧時期12月中旬
(6)窒素施肥量効果調査12月中旬、1月中旬
(7)調査内容 牧養力調査、収量調査、成分調査など

成果・評価
(1)本年度の放牧地の植生はオーチャードグラス等の寒地型牧草が主体の牧草地であった。
(2)12月中旬の推定牧養力は86.3CD/10a、放牧実証試験の結果、牧養力は30 CD/10aであった。
(3)放牧試験中体重は2頭とも増加し、健康状態に、特に問題はなかった。
(4)乾物収量は尿素区 =尿素+オール14区 > オール14区 > 無施肥区の順であった。
成分的には1月下旬ではどの区もCPは12%以下であり、施肥量による成分の維持は困難であると考えられた。
(5)硝酸態窒素濃度(乾物中)はどの区でも飼料中硝酸濃度のガイドライン中の安全に給与できる基準である1,000ppm以下であり問題はなかった。 

牛肉のフレーバーリリースプロファイリングと香気マッピングに関する研究

期間・区分
平成23~27年度、国補

背景・目的
肉を食べた時の口中の香り(フレーバーリリース)は肉のおいしさを左右すると言われているが、これまでほとんど研究されていなかった。そこで、機器分析によりフレーバーリリースの成分を検出する手法を開発し、嗜好型官能評価の結果とあわせて肉のおいしさを科学的に評価する手法の確立を目指す。

方法

機器分析及び嗜好型官能評価を用いて、評価方法を検討した。

(1)供試牛肉 黒毛和種、ホルスタイン種リブロース胸最長筋

(2)機器分析

(A)高感度ガス分析装置を用いた、牛肉の経時的ガス変化の分析

(B)ガスクロマトグラフィー質量分析s(GCMS)を用いた、牛肉の香気成分分析

(3)嗜好型官能評価

(A)5センチメートル×3センチメートル×4ミリメートル厚、285℃片面30秒加熱

(4)牛肉の脂肪関連の成分分析

成果・評価

高感度ガス分析装置による牛肉の経時的な総ガス放出量変動のサンプル数を増やした。

再度、総ガス放出量が増加し始めた静置21日目に、フレーバーリリースに係わる評価用語を用いた嗜好型官能評価を行った。その結果、パネリストは乳発酵臭を有意に強く感じ、血の臭いを有意に弱く感じた。

嗜好型官能評価に用いた牛肉を用いて、GCMS分析を行った結果、静置21日目にアセトイン量が約2倍に増加した。

 飼料用籾米を中心とした国産飼料資源の利活用試験-黒毛和種育成牛における給与試験-

期間・区分
平成27~30年、県単

背景・目的
飼料高騰化対策ならびに自給率向上対策として輸入原料に依存しない国産飼料を確保することが求められている一方、水田農業の分野では、通常の稲作栽培体系で生産が可能な飼料用米の活用が注目されている。黒毛和種における飼料用米の利用では、新たに飼料用籾米(ソフトグレインサイレージ等)の農家段階での利用が期待されているが、特に育成牛における給与技術は確立していない。
また、食料製造副産物等で食用に供されなかった生豆腐粕等が廃棄されており、地域未利用資源の有効活用面からも、飼料米と組み合わせて利活用することが求められている。 

そこで、飼料用籾米と生豆腐粕等をサイレージ化したものについて肉用育成牛への給与方法を確立する。今年度は、黒毛和種育成牛の嗜好性試験を行った。

方法

1試牛毛和種育成牛2頭(去勢、7~8ヶ月齢)
2験内容
供試牛の単房に供試飼料4種類を置き、30分間自由採食させた上で、その採食量を測定し、嗜好性を判定する。次の日は最も採食量が多かった飼料を除外して実施する。
(1)試験配置Omit式Cafeteria法(最も嗜好性の高い飼料をomit(除外)しながら行う全点自由選択法)
(2)試験区

照区合飼料区:通常給与している配合飼料のみ
験区25%生豆腐粕区:配合飼料70%+(a)を30%混合
50%生豆腐粕区:配合飼料70%+(b) を30%混合
25%豆腐粕サイレージ区:配合飼料70%+(c) を30%混合
注)(a)25%生豆腐粕+75%生籾米で調製したサイレージ
(b)50%生豆腐粕+50%生籾米で調製したサイレージ
(c)25%豆腐粕サイレージ+75%生籾米で調製したサイレージ

成果・評価

25%豆腐粕サイレージ区が最も採食量が多かったが、試験区間に有意差はなく、どの試験区も配合飼料と同程度の嗜好性と考えられた。 

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